相談実例

CASE STUDY

複数の事業のうち、特定の事業だけ売却することはできるのでしょうか【相談事例】

方針の整理

一つの会社は一つの事業しか営んではいけないという決まりはありませんので、製造業をしながら不動産業を営んだり、あるいは飲食業と小売業といった形で複数の事業を営んでおられる企業もたくさんあると思います。

 

そういった場合、A事業については後継者がいないがB事業については後継者がいるというケースももちろんあり、後継者のいないA事業だけ売却したい、誰かに引き継いでもらいたいという想いもあると思います。

 

今回のご相談はまさにそのケースです。

具体的にどういった手段をとることができるのか、回答させていただきますね。

 

 

【ご相談内容】

私の会社は製造業と不動産賃貸業を営んでいます。

製造業については後継者がいないため、将来的にはM&Aによる事業承継を考えています。

不動産賃貸業は、製造業の過去の利益から投資をしており、現在は無借金です。

この不動産業は、家族の安定収入のために残したいと思っています。

こういった考え方の場合、具体的にどのような方法が考えられるのでしょうか。

 

 

【ご回答】

M&Aにより一部の事業だけを売却したい場合には、「会社分割」という手法が一つの選択肢となります。

 

会社分割とは、会社がその事業に関連する資産や負債、権利義務を他の会社に包括的に承継させる方法です。

会社分割は、権利義務を既存の会社に引継がせる「吸収分割」か、新しく設立する会社に引継がせる「新設分割」に分かれます。

今回のご相談のケースですと、他に法人があるようではないので、新設分割を選択することになると思われます。

 

会社分割をする場合、大まかには以下のような流れになります。

1 新設分割計画書の作成

2 新設分割計画に関する書面等の備置き

3 取締役会による新設分割計画の承認等

4 株主への通知等及び株式買取請求

5 株主総会による新設分割計画の承認等

6 債権者保護手続(官報公告と個別催告)

7 登記による効力発生(設立会社の成立)

8 新設分割に関する書面等の備置き

 

2の新設分割計画書には、分割により移転する事業に関わる資産や負債を列挙します。

その選定によって、分割により事業を切り出す会社、分割により事業を引き継ぐ会社、それぞれの企業価値や分割後の損益・キャッシュフローが変わってくるので、詳細なシミュレーションが必要になります。

 

また、ご相談のケースでは、製造業を分割するのか、不動産賃貸業を分割するのかで、税務上の有利不利が発生する場合があります。

税務上、会社分割は、原則として分割により移転する資産負債を時価により売却したものとして課税されます

従って、所有している不動産が、仮に買ったときの金額より現在の時価が高くなっている場合には、差額に対して不動産売却益が計上され、法人税などが課税されます。

逆に時価が下がっている場合には、不動産売却損が発生し、事業を切り出した会社の法人税を軽減できる場合もあります。(※注)

また、会社分割により不動産を移転した場合には、原則として不動産取得税が課税されますが、一定の条件を満たすと不動産取得税が非課税になる場合もあります

 

(※注)税制適格会社分割に該当する場合には、資産の売却損益は繰り延べられます。詳細は、別の機会にご紹介させて頂きます。

 

 

会社分割はご自身の想いを実現する方法として非常に有用な方法ですが、法律や税金の処理が複雑であるため、組織再編実務に詳しい専門家にご相談されることをお勧めします。

事業の一部を譲りたい場合には「事業譲渡」という方法もあり、それも含めると取り得る選択肢は幅広くなり、それぞれ税務上、法務上の有利不利なども慎重に検討する必要があります。

 

きずなM&Aは、組織再編実務に長けた士業が集まったM&Aアドバイザリー会社であるため、複雑なM&Aスキームについても円滑にサポートし、お客様にとって最善のご提案をさせて頂きます。

 

ぜひお気軽にご相談ください。

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