相談実例

CASE STUDY

M&AにおけるDCF法という売却価格の算定方法はどのようなものですか?【相談事例】

企業評価・企業価値の査定

M&Aにおける重要な要素の一つは「いくらで売れるのか」「いくらの価値があるのか」だと思います。

この記事をご覧いただいている方は経営者の方が多いかと思いますが、自分の会社の売り上げはもちろん把握しているとしても、実質的な価値(その会社がいくらなら売れるのか)をご存知の方はほとんどおられないのではないかと思います。

 

「最低でも1億円以上で売りたい」「間違いなく3億円はいくはず!」「うちの会社は…3000万円もいけばいい方かな…」などなど、なんとなくの感覚やお気持ちはあるかもしれませんが、もっともっと具体的で根拠のある価格というと、やはり難しいですよね。

 

心を込めて作り上げてきた会社が実際にどれぐらいの価値があるのか、具体的な数字で表すための方法がいくつかありますが、そのうちの一つが今回のDCF法です。

 

 

【ご相談内容】

M&Aの売却価格の算定方法にDCF法という計算方法があると聞きました。

将来の収益性をもとに計算するとのことですが、少し難しくてよくわかりません。

わかりやすく教えて頂けないでしょうか。

 

 

【ご回答】

DCFとは、「ディスカウンテッド・キャッシュフロー: Discounted Cash Flow」の略です。

内容についてはこれから詳しくお伝えさせていただきますが、この方法はM&Aの場面で使用されるポピュラーな方法の一つです。

 

まず、おおまかな考え方としましては、おっしゃる通り、その事業が将来にわたって得る利益の合計額をもって事業価値とする考え方です。

ただし、将来得られる利益というのは、現在の価値に換算すると同額にはなりません

 

例えば、1年後に1,000万円の利益を生む事業の投資利益率が年利10%だったとします。

この場合の現在価値は、1,000万円÷(1+0.1)=909.0909…、となります。

このように将来得られる利益を一定の割引率で割引計算をすることによって事業価値を算定します。

 

それでは、DCF法による企業価値算定の流れを簡単にご説明します。

 

 

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①事業計画の策定
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まずは事業計画を策定する必要があり、概ね5年程度の計画を策定することが一般的です。

この事業計画がDCF法の計算の基礎となり非常に重要であるため、正しく企業の強みや弱みが反映されているか、外部環境からみて実現可能な計画となっているか、などしっかりと検証する必要があります。

この事業計画をもとに将来得られるフリーキャッシュフローを算定します。

フリーキャッシュフローとは、以下の算式により計算します。

 

【算式】

フリーキャッシュフロー=税引後営業利益+減価償却費-設備投資等±運転資本等の増減

 

 

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②割引率の決定
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割引率の考え方もいろいろありますが、一般的には、企業の自己資本コストと負債コストを加重平均して計算した「加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital)」という割引率を使う方法が一般的です。

資本コストというのは、株主に対して配当等によりどの程度還元するか、負債コストは銀行等からの借入の利率やプライムレートがどの程度か、といった考え方になります。

この割引率の設定によっても、最終的な事業価値は大きく変わりますので、慎重な検討が必要です。

 

 

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③現在価値の算定
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例えば、以下のような前提の場合の現在価値を計算してみます。

・割引率:10%

・フリーキャッシュフロー(単位:百万円)
1年後・・・20
2年後・・・50
3年後・・・40
4年後・・・30
5年後・・・60

・現在価値の算定
ⅰ 20÷(1+0.1)=18.18…
ⅱ 50÷(1+0.1)2=41.32…
ⅲ 40÷(1+0.1)3=30.05…
ⅳ 30÷(1+0.1)4=20.49…
ⅴ 60÷(1+0.1)5=37.25…
合計:147.29

※このケースでは、5年後までのキャッシュフローをもとに事業価値を算定していますが、5年後のキャッシュフローが6年以降も永続的に続くものとして事業価値に加算する考え方もあります(ターミナル・バリューといいます)。

 

 

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④企業価値の算定
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DCF法は本業の事業価値を算定する方法で、企業全体の価値を算定する方法ではありません。

企業には、遊休資産や余剰資産がある場合もあり、また有利子負債がある場合もあります。

そういった場合には、下記の算式の通り事業価値に反映させる必要があります。

 

【企業価値の算定】

事業価値+事業外資産-有利子負債=企業価値

 

 

おおまかではありますが、以上がDCF法による企業価値の算定方法になります。

DCF法による事業価値の算定は、「事業計画の内容」と「割引率」によって算定結果は大きく異なります。

実際のM&Aの場面で買手候補企業との認識の相違が出てくる部分でもあります。

買手候補企業に「事業計画」や「割引率」を合理的に説明できるように、早い段階からしっかりと準備しておくことをお勧めします。

 

きずなM&Aは、売却価格の前提となる事業計画を一緒に作り上げていくところからお手伝い致します。

 

経営者の想いをつなぐ。

きずなM&Aにぜひお気軽にご相談ください。

 

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